回避型愛着スタイルについて

最近回避型と呼ばれる言葉が色々なところで見受けられてきています。回避性パーソナリティでもなく、回避性だけが先走っているような気がします。まずは回避性というものはどういうものか、そして何に皆さんが何に困っているかをみないと何もはじまりません。私としては岡田先生の本が一番しっくりくるとおもいます。 

回避性愛着障害 (光文社新書) 

岡田尊司 (著)

そもそもなんでこの回避型が始まってしまうのか?いろんなことが考えられます。

【期待とプレッシャーの葛藤】
周囲から期待をかけられることは、大きな努力の糧になる一方で、それが「過剰なプレッシャー」になっていた可能性があります。「誰かの理想的な姿でいなければならない」という思いが強すぎると、大人になってから「理想的な姿ではない自分はダメだ」「恥ずかしい」「あまり見られたくない」という感覚に陥ってしまい、他者との深い関わりを避ける「回避」の傾向が生まれるパターンもあると考えられます。

【回避型コミュニケーションスタイルの特徴】
一言で言えば、「好かれたいけれど、深い関係にはなりたくない」という心の在り方です。「親しい仲になるのを回避する」とも表現されますが、他者と近づくことに恐怖を感じてしまうのです。
ある程度のコミュニケーションは取れますが、深い関係や長期的な関係になると、一気に苦手意識が出てしまいます。自分の一定の領域以上に踏み込まれると、強い拒絶感が出てしまうのが回避型の大きな特徴です。

【具体的な行動傾向】
回避型の人には、以下のような傾向が見られます。

  • 頼られるほど逃げたくなってしまう。
  • 自分の感情をオモテに出すのが苦手。
  • 仕事の意見や工夫など、表面的なディスカッションはできるが、自分の内面や背景、深い部分についてはオモテに出さない。
  • 一人の自由な時間を何よりも大切にする。
  • 自分の領域やエリアを侵害されることを極端に恐れる。
  • 人との付き合いを「重い」と感じやすい。

また現代は、少しでも隙を見せるとSNSで揚げ足を取られたり、プライベートを切り取られて批判されたりする時代です。こうした時代背景も、回避型のスタイルになりやすい要因の一つと言えるでしょう。

【性別と社会的な要因】
データ上、回避型のスタイルは女性よりも男性にやや多い傾向があります。もちろん女性にも起こることですが、どちらかと言えば男性に多く見られます。
その理由としては、脳の仕組みというよりも「競争社会」の影響が強いのでは?と。男性は「強さ」や「勝つこと」に重きを置かれがちです。
その結果、「弱さを見せてはいけない」「恥ずかしいところを見せてはいけない」と、自立を強く意識しすぎることで回避傾向が強まる場合があります。

【自己設定したハードルの正体】
周りの大人や同級生からの期待を背負い、「お前に任せたぞ」「君こそが一番だ」と思われ続けると、本人は無意識に高いハードルを自分に課してしまいます。
「自分のスキルが上がっていくのが嬉しい、楽しい」という楽な状態で結果を出せれば良いのですが、過剰なプレッシャーがかかると不自由になります。その結果、「自分の理想の姿ではない自分はダメだ」と思い、回避の傾向に繋がっていくのです。
自分で勝手に設定してしまったハードルに気づくことは、自分を縛っているものから自由になるための大きな第一歩です。

【回避型になる由来というかルーツは何か?】
回避型の愛着スタイルになる原因には、いくつか代表的な由来、ルーツがあります。

  1. 過干渉・過保護な親
    自分の部屋がなかった、部屋に鍵をかけられなかった、日記を勝手に見られたなど、親が子供のプライベートに過剰に介入してきたケースです。常に「侵害される不安」があるため、他人に対しても壁を作って距離を置くようになります。
  2. 信頼していた人の喪失
    「愛している」や「好き」という気持ちが叶わなかったり、大切な人を失ったりした経験から、「傷つくくらいなら最初から好きにならないほうがいい」と心を閉ざしてしまうケースです。
  3. 情緒的ネグレクト(感情の交流の欠如)
    親に共感してもらえなかった、あるいは親自身が大変そうで子供が親の世話をしなければならなかったような家庭環境です。自分の感情を出す経験が乏しいため、感情のやり取りそのものが苦手になり、最初から関わらないことを選んでしまいます。

【親密な関係での投影】
こうしたスタイルは、相手との距離が近くなればなるほど、過去の親子関係が投影されやすくなります。
「仕事では社交的にこなせるのに、恋人関係になると急に回避傾向が出て、心がグズグズになってしまう」という方が多いのはそのためです。親密になるほど、幼少期の「満たされなかった思い」や「植え付けられた恐れ」が、発作のように心に反応してしまうのです。

【回復へのステップ】
もし思い当たる節があるなら、まずは自分のルーツを見つめてみてください。
「子供の頃、ありのままの自分でいられなかった」「本当は欲しかった言葉があった」といった過去の負担に寄り添い、「大変だったね」「よく乗り越えてきたね」「あなたのせいじゃなかったんだよ」と、現在の自分(大人のあなた)が過去の自分を認めてあげる。そうすることで自分との絆が結び直され、対人関係にも変化が現れてきます。

【相手を思いやることが難しいと思いやる人たちが必要】
「常に100%本音の、ありのままの自分でいなければならない」と白黒思考で自分を縛る必要はありません。
それに向かえる環境があれば、回避型の人は一歩前に進むことができます。そして回避型の人たちはその環境を認識するのが本当に難しいです。しかし、そう思えるようになると、心が柔らかくなり、人との関係性がもっと楽に広がっていくのも回避型ならではなのです。親密なコミュニケーションに対しても、少しずつ、自分のペースで踏み出していければ大丈夫のではないでしょうか。それには我慢強く、我々が見守り、適度な距離感を保ちつつ接する必要があると私は思います。

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この記事を書いた人

臨床心理士 経営心理士 
宅地建物取引士 管理業務主任者 賃貸不動産経営管理士 貸金業務取扱主任者 
教員免許(高等学校情報)(高等学校専修免許商業)
2級FP 日商簿記2級
調理師免許取得

どうすれば人がやる気になるのか、人を傷つけない、人が傷つかないためにはどう思いやれば良いのかを探究しています。
所属学会
日本心理学会 日本心理臨床学会

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